ラナパーとワセリン
最近、革製品の手入れ方法をあれこれと調べていたが、その中で気になる情報を目にした。
ラナパーの主成分はワセリンである。90%以上がワセリンだ。
日本語版の製品情報を見ると、確かに配合成分としてワセリンが明記されている(製品情報)。ただし、公式サイトの説明やパッケージの記載を確認する限り、主成分は蜜蝋とホホバ油に見える。天然素材が100%だとも明記されている。これはどういうことなのか?
| パッケージの記載 |
主成分がワセリンだという情報の出所を確認したところ、下記のブログ記事であることが分かった。
記事のコメントを見れば分かるが、この情報はガセである。記事で取り上げられている特許は別の類似製品のものであり、比較対象としてラナパーが挙げられているだけである。90%以上がワセリンだというのはこの類似製品の話である。
ラナパーの成分について、比率は非公開となっている。また、すべての成分が開示されているわけではない。
What are the main ingredients of Renapur Leather Balsam, and is it safe for regular skin contact?
※公式サイトのFAQ
そのため、成分を解析でもしない限り主成分がワセリンだと主張することはできない。情報の出所は上記の通りであるため、ワセリンが主成分だと推測する根拠はない。
ところで、上記のFAQもそうだが、公式情報では製品について「合成化学物質を含まない」「天然由来の成分が100%」だと繰り返し強調している。いうまでもなく、ワセリンの原料は石油である。少量の添加であっても、この謳い文句には問題があるように見える。虚偽記載には該当しないのだろうか?
これは以下の理由により、特に問題はないらしい。
欧米の基準では、ワセリンは石油を精製して作られるため「合成化学物質ではない」と認識される。日本人の感覚では違和感があるが、これはそういうものだそうだ。また石油も天然資源だから、天然由来という点でも間違いがあるわけではない。
なお、英語版の公式情報には成分としてワセリン・ラノリンの記載がない。すべての成分を表示する義務はそもそもないため、マーケティングの都合で表示されていない。成分としてワセリン・ラノリンを記載しているのは販売代理店の判断であり、日本市場特有の事情が考慮されている。
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